# win/README-Windows.txt の訳 gnuplot バージョン 6 -- Windows 用バイナリ配付 ======================================================================= gnuplot は、コマンド入力方式の対話機能のグラフユーティリティで、Linux, OSX, Windows, VMS, その他多くのプラットホーム上で動作します。このソフト ウェアには著作権がありますが、フリーに配布されています (すなわち、それ に対価を支払う必要はありません)。元は、科学者や学生が数学関数やデータな どを視覚化するためのグラフプログラムでした。 gnuplot は、曲線 (2 次元)、および曲面 (3 次元) のグラフの両方を処理でき ます。曲面は、指定した関数に合う、3 次元座標空間上を漂う網目の形式で描 画したり、また x-y 平面上の等高線として描画したりできます。 2 次元描画では、折線グラフ、点グラフ、棒グラフ、等高線、ヒストグラム、3 次元データの等高線射影など、多くの描画スタイルをサポートしています。グ ラフには、任意のラベルや矢印、軸のラベル、タイトル、日時、グラフの凡例 などのラベルづけも行えます。 はじめに -------- gnuplot の新規ユーザは、gnuplot 起動後に `help` とタイプすることで表示 される一般的な説明書きを読むことから始め、そして `plot` コマンドに関す る説明 (`help plot` と入力してください) を読んでください。gnuplot のマ ニュアル (オンラインヘルプに合う形式で書かれています) は、PDF ファイル としても置かれています (訳注: gnuplot には日本語の PDF マニュアルは付属 していません。日本語の PDF マニュアルは、日本語マニュアルサイト http://takeno.iee.niit.ac.jp/~foo/gp-jman/ を参照してください)。 'demo' ディレクトリには、たくさんのテスト用、サンプル用のスクリプトが置 いてあります。`test` や `load "all.dem"` を実行するか、またはインターネ ット上の以下のデモを参照してください。 http://www.gnuplot.info/screenshots/index.html#demos ライセンス ---------- 使用許諾 (著作権) 条件については、Copyright ファイルを参照してください。 gnuplot に含まれる "GNU" は、Free Software Foundation とは関係「なく」、 たまたま一致したにすぎません (これには長い話があります。詳細は gnuplot FAQ を参照)。よって、gnuplot は GPL (GNU Public License) copyleft で カバーされてはおらず、自前の著作権文書を持っていて、それはすべてのソース コードにも及んでいます。しかし、関連するドライバとサポートユーティリティ には、二重ライセンスになっているものもあります。 gnuplot バイナリ配布物 ---------------------- * wgnuplot.exe: GUI 版のデフォルトの gnuplot 実行ファイル。バージョン 5 現在ではパイプ機能をエミュレートします。 * wgnuplot_pipes.exe: パイプ機能を完全に実装した版 (コンソールウィンド ウが追加されてしまいますが)。 * gnuplot.exe: テキスト (コンソール) モード版の gnuplot 実行ファイルで 他のプラットホームのものと共通な完全なパイプ機能を持ちます。 wgnuplot.exe と比較すると、このプログラムは標準入力からのコマンドも 受け付け、出力メッセージを標準出力にも出せます。これは pgnuplot.exe に 代わるもので、例えば Octave (www.octave.org) のように、gnuplot をグラ フエンジンとして使用するような他のアプリケーションではこちらを使用す ることを推奨します。 * pgnuplot.exe: この補助プログラムは、もはやバイナリパッケージには含ま れていません。代わりに gnuplot.exe を使用してください。 * ランタイムライブラリファイル gnuplot が必要とするランタイムライブラリファイル (libfreetype-6.dll 等) もこのパッケージに含まれています。各ランタイムライブラリのライセンス ファイルは 'license' ディレクトリ内に置かれています。 対話型出力形式 -------------- Windows 用の gnuplot は、3 種類の対話型出力形式 windows, wxt, qt を提供 しています。後の 2 つは、他のプラットフォームでも利用可能です。これらは いずれも、アンチエイリアス、ヒンティングをともなうオーバーサンプリング を利用した高品質出力を生成し、gnuplot の最近の機能すべてをサポートして いますが、外部ファイルやクリップボードに出力できる形式や、印刷のサポート、 persist モードの挙動については違いがあります。wxt は、pngcairo や pdfcairo 出力形式と同じ描画ルーチンを使用しているので、グラフを非対話 型に保存することも可能です。windows 出力形式のグラフウィンドウは、 wgnuplot のテキストウィンドウにドッキングさせることも可能です。 デフォルトでは、Windows 用の gnuplot は qt 出力形式を使用しますが、こ れは、GNUTERM 環境変数を設定することで変更できます。下の「環境変数」の 節を参照してください。または、あなたの gnuplot.ini に set term windows / wxt / qt という行を追加するという方法もあります。`help startup` を参照してください。 インストール ------------ gnuplot はインストーラつきの形式になっていて、これは基本的には、あなた が選択するオプションに応じて、以下のように動作します: * 例えば C:\Program Files\gnuplot 等のあなたが選択したディレクトリ内に このパッケージ (またはその一部分) を展開します。 * デスクトップ上に wgnuplot のショートカットアイコンを作成します。さらに、 スタートアップメニュー内にこのプログラムやヘルプ、付属文書、gnuplot の インターネットサイト、デモスクリプトへのリンクを追加します。 * *.gp や *.gpl, *.plt の拡張子のファイルを wgnuplot が開くよう関連付け させます。 * gnuplot 実行ファイルへのパスを PATH 環境変数に追加します。これにより コマンドラインで `gnuplot' や `wgnuplot' と入力すれば gnuplot を起動 できるようになります。 * Windows のエクスプローラーの "ファイル名を指定して実行" のダイアログ ウィンドウのショートカットに gnuplot を追加します。これで、単に Windows キーを押して `wgnuplot' を選択して実行することで wgnuplot を 起動できるようになります。 * デフォルトの出力形式 (terminal) を wxt/windows/qt から選択すると、インス トーラはそれに応じて GNUTERM 環境変数を更新します。ただし、後であなたの gnuplot.ini ファイルに set term windows か set term wxt を追加することも可能です。`help startup` を参照してください。 * デモスクリプトをインストールした場合は、それらを含むディレクトリが GNUPLOT_LIB 検索パスに含まれます。以下参照。 カスタマイズ: gnuplot はユーザのアプリケーションデータディレクトリ %APPDATA% が見つか れば、起動時にそこにある gnuplot.ini をまず実行します。wgnuplot と windows 出力形式は、アプリケーションデータディレクトリ内の wgnuplot.ini から設定を読み込み、このファイルに設定を保存します。`help wgnuplot.ini` を参照してください。 フォント -------- グラフィカルテキストウィンドウ (wgnuplot.exe): 対話ウィンドウのフォントは、ウィンドウ上部の「オプション」のアイコン か、またはウィンドウ最上部を右クリックして出るメニューから "Choose Font..." を選択して変更できます。古い "Terminal" (gnuplot 4.4 でのデ フォルト) のようなフォントではなく、"Consolas" のような新しい Truetype フォントを使用することを強く推奨します (訳注: 日本語を使用す る場合は、「MS ゴシック」や「MS 明朝」などの日本語のフォントを指定す るといいでしょう)。この変更を保持するために、同じメニューにある "Update wgnuplot.ini" を実行してください。 コンソールウィンドウ (gnuplot.exe): 拡張文字が正しく表示されなければ、"Consolas" や "Lucida Console" など の非ラスタライズ形式のコンソールフォントに変更する必要があります。こ れはコンソールウィンドウの「プロパティ」で行えます。 エンコーディング ---------------- Windows 上、gnuplot のバージョン 5.2 以降では、gnuplot がサポートする すべてのエンコーディング (UTF-8 を含む。以下参照: `help encoding`) を使って コマンドライン入力を行うことができます。デフォルトでは、gnuplot は、 サポートしていれば、そのシステムの ANSI コードページに一致するエンコー ディングを使いますが、あなたの gnuplot.ini ファイル (下で説明) に、 `set encoding utf8` という行を追加することを推奨します。コマンドライン のユニコード入力は BMP (基本多言語面) に制限されていますが、スクリプト では (以前のバージョンと同様) すべての文字が使えます。 地域対応 -------- gnuplot は、メニューとヘルプファイルの地域対応をサポートしていて、デフ ォルトでは gnuplot は wgnuplot-XX.mnu と wgnuplot-XX.chm を読み込もうと します。ここで、XX は 2 文字の言語コードです。現在のところ、英語 (デフ ォルト) と日本語 (ja) をサポートしていますが、他の地域対応ファイルも募 集しています。 強制的に特定の言語を使うようにするには、wgnuplot.ini ファイルに Language=XX を入れてください。このファイルは、あなたの %APPDATA% ディレクトリに置か れています。例えば英語のメニューで日本語のヘルプが見たい、といった混在 した設定がしたければ、wgnuplot.ini に以下の行を追加すればできます: HelpFile=wgnuplot-ja.chm MenuFile=wgnuplot.mnu 現在は gnuplot 内から言語環境の設定を変更する方法はないことに注意してく ださい。 環境変数 -------- サポートする環境変数の一覧を見るには、gnuplot 上で 'help environment' としてください。以下に重要な例を示します。 * GNUTERM が定義されていると、その値の名前の出力形式 (terminal) を使用 します。これは、gnuplot 起動時に認識されたいかなる出力形式よりも優先 しますが、初期化ファイル gnuplot.init で上書きでき (`help startup` 参 照)、そしてもちろんその後の明示的な出力形式の指定で変更できます。 * 環境変数 GNUPLOT_LIB は、データやコマンドスクリプトの追加検索ディレク トリを定義するのに使います。この変数の値は、単一のディレクトリ名でも、 区切り文字 ';' で区切られた複数のディレクトリリストでも構いません。 GNUPLOT_LIB の内容は、`loadpath` 内部変数に追加されますが、`save` や `save set` コマンドで保存しません。詳細は 'help loadpath' を参照して ください。 知られているバグ ---------------- 新しいバグの情報については、バグ追跡システム http://sourceforge.net/p/gnuplot/bugs/ を参照してください。 -------------------------------------------------------------------------------- The gnuplot team, 2024 4 月